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相続不動産の売却や査定はどう進める?税金のポイントと手順も解説

相続によって手に入れた不動産の売却を考えるとき、多くの方が「税金はどれくらいかかるのか」「まず何を調べれば良いのか」と悩まれるでしょう。不動産売却には、相続税や譲渡所得税など多くの税金や手続きが関わります。この記事では、相続不動産をスムーズに売却するために欠かせない税金や査定の基本を分かりやすく解説します。売却時の負担を正しく把握し、最後まで後悔しない進め方を一緒に考えていきましょう。

相続不動産を売却する際にまず知っておきたい税金と査定の基本

相続した不動産を売却する際には、まずどのような税金がいつどのようにかかるのか、そして査定の目的を押さえておくことが重要です。

主な税金としては、以下のとおりです。

税金の種類概要・時期
相続税相続開始から10か月以内に、遺産総額が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超える場合に課税されます。
登録免許税相続登記時に評価額×0.4%の税率でかかります。
印紙税・譲渡所得税・住民税売買契約書作成時に印紙税、売却益に対して譲渡所得税および住民税がかかります。譲渡税は売却益に税率を掛けて算出されます。

印紙税は、売買契約書に記載された金額に応じた税額となり、印紙を貼付・消印して納付します。

譲渡所得税と住民税は、不動産の売却益に課されます。譲渡所得の計算は「売却収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額」で行われ、そこに所有期間に応じた税率をかけます(所有期間が5年以下か超過かによって税率が変わります)。所有期間は被相続人の取得時点から引き継がれます。

査定は、売却価格把握のためだけでなく、税負担を見通すうえでも大切な役割を果たします。査定額は「収入金額」として譲渡所得税・住民税の計算ベースとなるため、税額の概算にも直結します。

つまり、査定で適正な価格を早めに把握することで、売却スケジュールや税金の準備がスムーズに進み、お客様が安心して次の段階へ進めるようになります。

譲渡所得税や住民税の計算における査定額と取得費・譲渡費用の役割

譲渡所得税と住民税を計算する際には、まず「譲渡所得」の金額を把握することが重要になります。譲渡所得は、次の計算式で求められます:「譲渡所得 = 収入金額 -(取得費 + 譲渡費用)- 特別控除」。この式の中で、査定額は「収入金額」に相当し、税額の土台となりますので、正確な査定が欠かせません。

取得費とは、被相続人が不動産を購入した際にかかった費用を指します。具体的には、購入代金のほか、購入時の仲介手数料や登記費用、不動産取得税、印紙税、土地造成費などが含まれます。不動産が建物を含む場合には、購入代金から経年により価値が減少した分(減価償却費)を差し引いて計算します。減価償却費は、建物取得価額×0.9×償却率×経過年数で求められますので、被相続人がいつ取得したかも把握しておく必要があります。

区分 内容 ポイント
取得費 被相続人が支払った購入代金や諸費用(減価償却済) 建物は減価償却を控除する必要があります
概算取得費 取得費が不明な場合、譲渡価格の5%を取得費と見なす制度 実際の取得費より少なくなり税負担が増える恐れあり
譲渡費用 仲介手数料、印紙代、測量費など売却にかかる実費 査定額が高ければ譲渡費用も相対的に大きくなる

取得費が不明な場合には、「概算取得費」として譲渡価格の5%を適用できますが、これは実額より低く見積もられることが多く、結果として譲渡所得が大きくなり、税額が増加しやすくなります。できる限り被相続人の取得時の資料をもとに実額で計算することが望ましいです。

譲渡費用には、売却にあたって支払う仲介手数料や印紙代、測量費用などが含まれます。査定額が高いほど売却諸費用も増える可能性がありますので、査定結果をもとにこれらを見積もることで、譲渡所得計算の精度が向上し、適切な税額の予測につながります。

売却時に活用できる特別控除・特例と査定結果との関係性

相続した不動産の売却時には、「3000万円特別控除(空き家特例)」や「相続税の取得費加算」といった税負担を軽減できる制度があります。以下の表に要点を整理しています。

特例名主な内容適用条件
3000万円特別控除(空き家特例)譲渡所得から最大3000万円控除被相続人が居住していた家屋・敷地を相続した場合
所定の期限内に売却(例:2027年12月31日まで)
相続税の取得費加算取得費に相続税の一部を加算し譲渡所得を圧縮相続税申告期限の翌日から3年10か月以内の売却
相続税が課税されていること

査定結果に応じて、どちらの特例が有利かを見極めることが重要です。

たとえば、査定額が高めに出た場合には取得費加算の特例で譲渡所得自体を抑えるほうが節税効果が高くなるケースがあります。一方、被相続人が居住していた空き家で、査定額の範囲内で大きく譲渡所得が発生する見込みがある場合には、3000万円特別控除による一律控除がとても有効です。

ただし、これらの特例は併用できません。どちらかを選択する必要があり、具体的な査定額次第で最適な制度が変わりますので、早めに確認されることをおすすめします。

条件をクリアできるかどうか、査定結果を踏まえて判断することで、税負担を大きく軽減できる可能性があります。


不動産の査定結果をもとに、税負担を大まかに把握していただくことは、相続不動産の売却を考えている方にとって、とても有益な第一歩となります。たとえば、査定額から譲渡所得の概算や、それにかかる税金(譲渡所得税・住民税・復興特別所得税など)をイメージすることができます。そのうえで、確定申告や税理士への相談など、次に取るべきステップが明確になります。

アクション目的メリット
査定を依頼売却予定価格の把握税負担の見込みが立つ
税務相談正確な税額計算節税対策や申告の安心感
弊社へのお問い合わせ次の手続きの案内スムーズな売却計画の進行

「相続した不動産の売却をご検討されている方」へ──当社では無料査定のご依頼を承っております。査定結果をもとに、売却価格の目安や、売却に伴う税負担を具体的に見据えたご提案が可能です。たとえば、譲渡所得の概算や確定申告の流れ、特例や控除制度のご案内にも対応いたします。

査定依頼は売却計画を明確にするうえで欠かせないステップです。税額のおおよその把握により、「どのくらい手元に残るか」「いつまでにどんな手続きが必要か」という見通しも立てやすくなります。まずはお気軽に査定をご依頼ください。ご相談はいつでも承っております。

まとめ

相続した不動産の売却を検討する際は、税金の種類や査定の基本を正しく理解することが重要です。査定は売却価格だけでなく、税額計算にも直結するため、信頼できる査定が大切です。譲渡所得税や住民税は取得費や譲渡費用、そして特別控除の適用など多くの要素で決まります。特例や控除制度もうまく活用すれば、税負担を大きく減らすことも可能です。売却後の手続きや税金で不安がある方は、専門家のアドバイスを参考にしながら一歩ずつ進めていきましょう。

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